「どう?元気出たでしょ?」
少し首を傾げて、こちらを窺うエイダンの瞳はどこか甘く、私の心臓を加速させていく。
心臓に悪すぎる美青年の完成だ。
「…元気が出るというよりもまず普通に恥ずかしいです。手の甲にキスはしないでください」
バクバクとうるさい心臓に目を瞑り、あくまでもこの行為が恥ずかしいのだと、エイダンに主張する。
エイダンだから心臓が加速するのではなく、誰にやられてもそうなってしまうと訴え、恋心を隠すのだ。
「恥ずかしい…へぇ」
私の訴えにエイダンが意味深に笑う。
「お前は忙しい女だね。手の甲にキスされただけでこんなにも心臓が激しく動いて」
クスクスと笑うエイダンにはどうやら私の心臓の音が聞こえていたらしい。
きっと魔法で聞こえるようにしていたのだろう。
「唇にキスされたら死ぬね、お前」
楽しそうにそれだけ言うとエイダンはいつものように魔法でその場から姿を消した。
「…はぁ〜」
最後の一瞬まで気が抜けず、やっと解放された私はその場で盛大に息を吐き、しゃがみ込む。
エイダンはもう私の想いに気づいているのかもしれない。
もしそうなら、今までのことが全て意味をなさなくなってしまう。



