死者の居場所には、必ず神の使い〝黒アゲハ蝶〟がいる。
暗闇で、赤い花が一面咲いて、そこに黒アゲハ蝶が羽を休めたり、パサパサと飛んでいる黒アゲハ蝶もいる。
髪が腰まで長く、綺麗な黒い着物を着ている女性の近くに黒アゲハ蝶が、飛んできた。
「また、1人この世に来たか……」
もしかして……アイツの仕業か?
「黒谷拓未」
一方その頃、黒谷は……
テストの真っ最中だった。
______ドックン……
「うっ……」
その時激しい高鳴る心臓に襲われていた拓未。
俺は、心臓を抑えた。
クソ、アイツが俺を呼んでるのか?
俺の異変に察したテスト監督。
「黒谷、大丈夫か」
「ッ……」
顔を顰めテスト監督の顔を見た。
「無理そうだな。テストは、終わった……なら、もういいぞ」
俺は自分の席から立ちテストのプリントをテスト監督に渡し教室から出た。
すると、教室から一歩無見出すと……一瞬で暗闇に変わった。
〝あの世〟の世界に行ってしまったのだ。
俺の目の前に、アイツが居た。
「久しぶりね、クロタニタクミ」
「なんだ、俺をここに呼び出して。俺は、忙しいんだ」
「あら、そう?人殺しに忙しいのね」
「!……情報が、耳に入るの早いな。仕方がないだろ?学校の平和は俺が守ってるんだから」
「よく言うわね」
「んじゃ、俺元の世界に戻らなきゃ行けないから」
「待ちなさい」
「なんだよ」
「なんでもないわ。行きなさい」
俺は、元の世界に戻った。