二人とも、恐らく無意識のうちに、初恋の相手…互いのことを忘れられなかったようだ。

園田が教師になることに決めた理由は、中学時代、バスケ部の顧問のことを心から尊敬し、慕っていたから。

あんな大人になりたい…いつも、そう思っていた。

実際、今の園田は、生徒たちから慕われるバスケ部の顧問である。

リナのほうは、両親が優秀であることが、昔からコンプレックスだった。

彼女の母親は、著名な画家であり、父親は優秀な弁護士である。

そんな両親を持つリナは、ごく普通の女の子だったのに、周りの大人たちからのプレッシャーが凄まじかった。