(どうにか、噛まずに言えた…!)

そう思いつつも、深々と頭を下げる園田。

「園田さん」

青山が声をかけ、園田は顔を上げる。

「リナは気の強いところもあるけれど…どんな時も、支え合って生きていって下さい。娘の選んだ相手が君のような好青年で、本当に嬉しいよ。こちらこそ、宜しくお願いします」

青山夫妻は、ついにこの日が来たのだ…と、改めて実感し、嬉しさと淋しさが綯い交ぜになった思いで居た。

その後、しばらく雑談をしていたが、園田は壁の時計を見遣り、

「すっかり長居をしてしまってすみません。そろそろおいとまさせて頂きます。これからもどうぞよろしくお願いいたします」

「いやいや、こちらこそ引き留めて申し訳なかったね」

3人の少し打ち解けた様子に、リナも安堵していた。