園田としては、ただでさえ彼女の両親と会うなど初めてのことなのに、リナの両親が、優秀な弁護士と著名な画家ということもあり、余計に緊張してしまう。

「園田くん、大丈夫よ。うちの両親はそんな堅物じゃないから」

彼女の微笑みに勇気づけられ、園田はいざ挨拶に…。

今日もまた一張羅を着て、手土産を持って、リナと共に青山家を訪ねた。

玄関で、リナの両親が迎えてくれる。

「初めまして。園田と申します。リナさんとは去年から…」

「ふふ…その話なら、中でゆっくりお聞きしますよ。さぁ、どうぞ」

母・陽子に客間へと促され、園田はさっきまでガチガチに緊張していたのに、想像と違って温和な両親に安堵している。

手土産を差し出し、つまらぬものですが…などと、ありきたりなやり取りをしていた。