「ん?どうもしないよ」

「嘘。今日、明らかに様子がおかしいもの」

潮騒をBGMに、二人は手を繋いだまま、浜辺をただ歩いていた。

園田はふと歩みを止め、

「なぁ、リナ」

突然、ファーストネームで呼ばれたことに、リナは少し驚く。

いつもは、青山と呼ばれていたのに。

「何…?」

園田は、軽くリナのワンピースの袖を摘まんで、

「高校の頃と、去年と…此処に来たの、覚えてる?」

「忘れるはずないわよ」