「もともと、同じ中学の同級生なの。名画座あるでしょ?そこで偶然再会して…って感じ」

リナの言葉に、何一つ嘘はない。

単に、10代の頃、互いに想いがすれ違ったことを言っていないだけだ。

「そうか。親子揃って、中学時代の同級生を伴侶に選ぶとは、不思議なもんだな」

青山は、しみじみと呟く。

陽子はというと、敢えて何も言わなかったが、全てを見抜いていた…。