そんな冗談を返してみるが、

「まぁ…ある意味、そんなところかな」

今度は、妙に真面目な声が返ってきて、リナはますます戸惑う。

車の一台すらないパーキングに着くと、

「浜辺を少し歩こう」

辺りには電灯もないが、今宵は月が明るい。

園田は、さりげなくリナの手をとると、ゆっくり歩き出す。

この浜辺は、恋人の聖地などと、地元では謳われているが、若者たちはこんな辺鄙な場所にデートには来ない。

「ねぇ…園田くん。今日はどうしちゃったの?」