楓くんとお出かけしてから、数日が経ったある日の学校帰り。

「お邪魔します」

楓くんがうちに遊びに来てくれた。

その訳は、この前、ファミレスの時に家で猫を飼っていると話したら『会ってみたい』と楓くんが言ったから。

今日はシフト入っていないと言っていて、そのまま私の家に直行したというわけだ。

2階に案内し、部屋に楓くんを初めて招く。

物はあまり置いていなくて、丸いテーブルとベッドと本棚とタンスがあるくらいのこじんまりとした部屋。

カーテンやクッションなんかも白やベージュなどの同色系にまとめている。

「小春の部屋って、清潔感があって可愛らしい感じだな」

楓くんの言葉に嬉しくなる。

「あり、がとう」

少し喉の詰まりはあって、小さな声になるがしっかりと楓くんに伝わった。