「お父さん、なにしてるの?」

今日は、夏休み最後の日。

リビングに行くと、お父さんはキャットタワーを掃除していた。

もっちーは、もういないのに。

「なにって、綺麗にしていたほうがもっちーが喜ぶだろうと思って」

お父さんの言葉に嬉しく思っていると、話を聞いていたのかキッチンから顔を出したお母さんが立て続けに言った。

「そうよ。昨日の夜、お父さんと話して決めたのよ。おもちゃは片付けてしまったけど、キャットタワーは残しておこうって。ここにもっちーがいたっていう証をね」

……もっちーがいた証。

あの頃、まだ元気だったもっちーは、よくこのキャットタワーに登ってはよくお昼寝をしていた。

もっちーにとって、1番大好きな場所だった。

「いつまでも悲しみを引き摺っていてはダメね。天国にいるもっちーも悲しんでしまうから、明るくいないとね」

お母さんの言う通りだ。

もっちーは、最後の時まで私たちに微笑んでくれた。

だから、私も笑顔にならなきゃ。

あのニコちゃんマークのように。