それからも王妃様に命じられ書類の処理はもちろん、日課の如くフィル様の執務室へ書類配達にきている。
「失礼します。フィル様、本日も書類をお持ちしまし……」
アイザック様は不在のようでノックの後の返事を待って扉を開くと、ブリジット様がフィル様の肩に触れていた。
「ラティ! 今日も来てくれたね。……ラティ?」
なんとなく書類配達に関しての王妃様の魂胆は察していた。
きっとフィル様がブリジット様といるところを私に見せて、あきらめさせるか精神的にダメージを与えようとしているのだと思う。
その作戦は見事成功したようだ。毎日毎日、寄り添うようなフィル様とブリジット様を見て私の心は渦巻く嫉妬が今にも暴れそうになっている。
フィル様が私を大切にしてくれているのはわかっているし、たくさん愛情表現してくれた時は気持ちが軽くなるのは違いない。
でも今日は違っていた。ブリジット様の手が、フィル様の肩に乗せられていたのだ。
「ラティ、どうしたの?」
フィル様が焦った様子で私の顔を覗き込むけど、私はいつもみたいに笑えない。
毎日なにをそんなに打ち合わせすることがあるのか、どうしてそんなに距離が近いのか。私が王太子の婚約者でなければ、とっくに爆発していたに違いない。
「失礼します。フィル様、本日も書類をお持ちしまし……」
アイザック様は不在のようでノックの後の返事を待って扉を開くと、ブリジット様がフィル様の肩に触れていた。
「ラティ! 今日も来てくれたね。……ラティ?」
なんとなく書類配達に関しての王妃様の魂胆は察していた。
きっとフィル様がブリジット様といるところを私に見せて、あきらめさせるか精神的にダメージを与えようとしているのだと思う。
その作戦は見事成功したようだ。毎日毎日、寄り添うようなフィル様とブリジット様を見て私の心は渦巻く嫉妬が今にも暴れそうになっている。
フィル様が私を大切にしてくれているのはわかっているし、たくさん愛情表現してくれた時は気持ちが軽くなるのは違いない。
でも今日は違っていた。ブリジット様の手が、フィル様の肩に乗せられていたのだ。
「ラティ、どうしたの?」
フィル様が焦った様子で私の顔を覗き込むけど、私はいつもみたいに笑えない。
毎日なにをそんなに打ち合わせすることがあるのか、どうしてそんなに距離が近いのか。私が王太子の婚約者でなければ、とっくに爆発していたに違いない。



