「貴女もどうして止めなかったの!? そうやってフィルレスの気を引いたのね、まるで売女だわ!! これだから爵位の低い家門はダメなのよ!」
「申し訳ございません」
王妃様の叱責を正面から受けて散々王太子妃にふさわしくないと罵倒されたが、治癒室で培ったスルースキルを最大限に発揮してやり過ごす。その後も王妃様の執務の手伝いで雑務を命じられ、あっという間に一日が終わった。
それから二週間が過ぎ、毎日同じようにフィル様の執務室へ書類を届けるように命じられている。
この頃にはひとりで書類を持っていくようになっていたが、私が行くといつもブリジット様が一緒にいてフィル様と打ち合わせをしていた。
フィル様には王妃様のことを話し、過度なスキンシップは控えてもらっているので幸い売女関連の罵倒はされていない。ブリジット様の様子を報告しないといけないので注意深く観察するようにしているが、その行為が私の心に波紋を広げていく。
「フィル様、失礼致します。こちらは王妃様からの書類です」
「ああ、ラティ。いつもありがとう」
そう言ってフィル様はすぐに私に駆け寄ってくれる。でも、いつもフィル様とブリジット様の距離は近く、時折寄り添っているように見える時がある。ブリジット様は順調に認定試験が進んでいるようで余裕げに微笑んでいた。
「申し訳ございません」
王妃様の叱責を正面から受けて散々王太子妃にふさわしくないと罵倒されたが、治癒室で培ったスルースキルを最大限に発揮してやり過ごす。その後も王妃様の執務の手伝いで雑務を命じられ、あっという間に一日が終わった。
それから二週間が過ぎ、毎日同じようにフィル様の執務室へ書類を届けるように命じられている。
この頃にはひとりで書類を持っていくようになっていたが、私が行くといつもブリジット様が一緒にいてフィル様と打ち合わせをしていた。
フィル様には王妃様のことを話し、過度なスキンシップは控えてもらっているので幸い売女関連の罵倒はされていない。ブリジット様の様子を報告しないといけないので注意深く観察するようにしているが、その行為が私の心に波紋を広げていく。
「フィル様、失礼致します。こちらは王妃様からの書類です」
「ああ、ラティ。いつもありがとう」
そう言ってフィル様はすぐに私に駆け寄ってくれる。でも、いつもフィル様とブリジット様の距離は近く、時折寄り添っているように見える時がある。ブリジット様は順調に認定試験が進んでいるようで余裕げに微笑んでいた。



