太陽の末裔の血を引くアルテミオは、艶やかな長めの黒髪を揺らし空色の瞳を細める。薄桃色の唇がうっすらと弧を描いた。

「わたくしのアルテミオ、貴方も手伝ってもらうわよ」
「承知しました」

 わたくしはあの邪魔者を排除するべく計画を練りはじめる。

「そうだわ、まずは明日からわたくしが妃教育をする時間を作りましょう。王太子妃としてすぐに使えるように厳しく鍛えないと。それからお茶会も開いて……三大公爵の血縁者は招待しない方がいいわね。随分甘い判定をされたのだから、信用ならないわ」
「……母上、兄上には内密に進めないと危険です」
「あら、そうね。そこが一番だわ。邪魔されたくないもの。先に関係者に手紙を書くから届けさせましょう」

 手紙を書いて侍女へ内密に届けるように伝えて、お茶を口に含む。
 調子に乗った下賤の女が困窮していく様子を思い浮かべて、思わずニヤリと笑みを浮かべた。