婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2

 その疑問はどんどん大きくなり、私は思い切って前に遭遇した魔法練習場へ行ってみることにした。その日の勉強を終えて、静かに私室を抜け出す。今はもう護衛もついていないから、魔法練習場まで簡単に来ることができた。

 そっと物陰に隠れて魔法練習場を除くと、予想通り兄がひとりで魔法の練習をしていた。

 私がどんなに練習してもできなかった上級魔法を鮮やかに操り、幻想的な光景を生み出している。あまりの美しさに「すごい……」と声が出てしまった。

「誰?」

 ハッとして我に返ったけど、もう兄にはバレてしまった。私は気まずい気持ちのまま、姿を見せる。

「あ……君か。どうしたの?」
「……なんでこんなに練習してるんだ?」

 見つかったことでどうでいい気持ちになり、ずっと疑問だった言葉を投げつける。

「必要だから」
「必要……? だって、お前は全部手に入れただろ!? なにもかも持っているじゃないか……!」
「それは違う。今まで放置されてたし、なにも持ってない。大切な人たちを守るために必死なだけだ」