「戴冠式が始まるまでラティを好きにしたい」
「却下します」
私は即答した。なにを言っているのだ、この変態腹黒国王は。
「ええ、それじゃあ、僕のやる気が出ないんだけど……」
「ではお聞きしますが、好きにしたいってどういうことですか?」
確かに触れ合う時間もなかなか取れなかったから、恋しい気持ちが募るのはわかる。私だって同じようにフィル様を求める気持ちはあるのだ。念のため、どの程度を求めているのか聞いてみることにした。
「まずは僕の膝の上に乗せて、思う存分キスをして、僕にしか見せないラティを堪能して、きっと止まらなくなるからその先も——」
「却下! 却下一択でしょ! これから重要な式典なのに、なに考えてんの!?」
やっぱりとんでもないことだったので、思いっ切り素で返してしまった。
「ふははっ! そのラティの怒り方、懐かしいな」
「ごまかさないでください! もう、絶対にフィル様の好きにさせません!」
「ふふ、ごめんね。じゃあさ、ラティの好きにしていいよ」
「え?」
「ラティは僕をどうしたいの?」
フィル様の提案にドキッとする。
私はフィル様とどうしたいのか? ここ二カ月くらいは本当にお互い忙しくて、食事の時間もすれ違っていた。それまでは毎夜、意識がなくなるまで愛されて満たされていたのだ。寂しくないと言ったら嘘になる。
「却下します」
私は即答した。なにを言っているのだ、この変態腹黒国王は。
「ええ、それじゃあ、僕のやる気が出ないんだけど……」
「ではお聞きしますが、好きにしたいってどういうことですか?」
確かに触れ合う時間もなかなか取れなかったから、恋しい気持ちが募るのはわかる。私だって同じようにフィル様を求める気持ちはあるのだ。念のため、どの程度を求めているのか聞いてみることにした。
「まずは僕の膝の上に乗せて、思う存分キスをして、僕にしか見せないラティを堪能して、きっと止まらなくなるからその先も——」
「却下! 却下一択でしょ! これから重要な式典なのに、なに考えてんの!?」
やっぱりとんでもないことだったので、思いっ切り素で返してしまった。
「ふははっ! そのラティの怒り方、懐かしいな」
「ごまかさないでください! もう、絶対にフィル様の好きにさせません!」
「ふふ、ごめんね。じゃあさ、ラティの好きにしていいよ」
「え?」
「ラティは僕をどうしたいの?」
フィル様の提案にドキッとする。
私はフィル様とどうしたいのか? ここ二カ月くらいは本当にお互い忙しくて、食事の時間もすれ違っていた。それまでは毎夜、意識がなくなるまで愛されて満たされていたのだ。寂しくないと言ったら嘘になる。



