婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2

「最初からそうすればよかったのに」
《それは魔力が少なすぎるという理由で、大地の神が渋ったのだ。だが大地の神が選んだ乙女があんな性悪だったし、今後は自分が補助するという条件で許可をもぎ取ってきたのだ》
「そう、わかった。ユニコーンはエルビーナ皇女の補佐をメインにして動いていいよ。なにかあったらすぐに呼び戻すから」
《うむ、主人の心遣いに感謝する》
「おい! さらっとオレの妹を聖女に任命するんじゃねえ!」

 フィル様とユニコーンの会話にグラントリー様が口を挟んだ。気持ちが乱れて言葉使いが崩れている。

「むしろエルビーナ皇女が聖女になれば、帝国の政治も安定するし、皇帝陛下たちも下手な扱いをしないと思うけど。それでもダメなの? そもそもすでに任命されているから拒否なんてないけどね」
「うぐっ! だけど、それはそれで、またうまいこと使われそうなんだよな……」

 グラントリー様はああ見えて妹を大切にしているから、これから訪れる変化でエルビーナが苦労しないか心配しているのだ。