婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2

「いつ……いったい、いつからだ!?  いつからわしを騙しておったのだ!?」

 国王陛下の絶叫で会議室は再びしんと静まり返った。フィル様は誰もがうっとりするような微笑みを浮かべて、国王陛下の問いに答える。

「そうだね。ちょうど二カ月前くらいかな。ラティシアがいる治癒室へ聖女がやってきた頃だよ。僕が許可するまで聖女の言う通りにしろと命じてたから、気が付かなかったと思うけど」
「二カ月だと……!? それではあの時、ユニコーンと契約したと思ったのはなんだったのだ!?」

 愕然とした国王陛下は、机に手をつき項垂れた。

 そういえばブリジット様が治癒室へ来た後、フィル様へユニコーンの話をしたのだった。あの時からフィル様はユニコーンと契約することを考えていたのだろう。

 でも今のユニコーンには大きな翼がある。これをどうやって誤魔化していたのか気になったが、その疑問はすぐにフィル様によって解消された。

「それも僕の命令だね。もし国王陛下がユニコーンと契約する素振りを見せたら、結界をうまく使って翼が生えたように演出しろと命じておいたんだ。その証拠にユニコーンは金色の光に包まれなかったと思うけど?」
「そ……んな……では、わしは、わしはなんの後ろ盾もなく……このような……」

 どうやら国王陛下は、フィル様にうまいこと操られていたらしい。