婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2

「そうなるよね。では最後にコートデール公爵家も報告をしてくれる?」

 ブリジット様が反論する暇を与えず、フィル様が最後の報告を促した。両手を後ろに組んで凛と立つオリバー様はハキハキとした声で話しはじめる。

「最後にコートデール公爵家の審判(ジャッジ)を務めました、私オリバーがご報告申し上げます」

 オリバー様と一緒に回ったコートデール領が脳裏を(かす)める。

 領民たちへ治癒魔法をかけながら街から街へ移動した。そこでフェンリルと出会って、フィル様に助けてもらって、勇気をもらった場所だった。

「コートデール領におきましては魔物の討伐を試験内容といたしました。今回は迷彩の森で繁殖したワイルドボアの討伐でした。この魔物は畑を荒らすため領民の被害が甚大で、早急に解決が必要な問題でした」
「そうよ! わたしすぐに魔物を討伐しようと思って、一気に火炎魔法で倒したのよ!」

 ブリジット様が勢いを取り戻し、声高らかに叫んだ。しかしオリバー様の顔色は暗いままだ。それだけでは終わらないなにかがあったのだろうか?