* * *



「ブリジット様、明日はこちらの衣装でよろしいでしょうか?」

 明日の国議でいよいよ認定試験の結果が発表される。そのためわたしも参加することになり、王城に用意された部屋で衣装を選んでいた。

 わたしがフィルレス様の婚約者になると発表されれば、ガラリと生活が変わるだろう。あの女はすぐに王城から追い出して、わたしの妃教育が始まる。でも、その前にあの女が絶望に染まる顔を見たい。

 これからはわたしがフィルレス様の隣に立つのだと、知らしめなければ。

「そうね、アクセサリーはサファイアにしてくれる? フィルレス様の瞳の色なの」
「かしこまりました。それではイヤリングとセットになっているこちらはいかがでしょうか?」
「それでいいわ。明日の準備ができたらもう下がってちょうだい。これから忙しくなるだろうから、今のうちにゆっくりしたいわ」
「承知いたしました」

 フィルレス様の瞳の色を身につけたわたしが並べば、あの女は悔しがっていい顔を見せてくれるに違いない。ソファーでくつろぎながら、香り高いお茶を口に含んだ。

「うふふ、明日が楽しみだわ。ねえ、ユニコーン。貴方にとっても明日は特別な日になるわよ」
《……そうだな》