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 ラティがかわいい。

 いつもは凛として僕にすら平然と意見してくるのに、いまだにキスで恥じらう様子や、同衾は結婚してからとか言う奥ゆかしさがたまらない。

 そんな恥ずかしがるラティを思う存分堪能して、僕の愛を刻みつけてドロドロに溶かしたい。

 朝食の後もしっかりとラティを堪能して執務室へやってきたけど、愛して止まない婚約者のことが頭から離れない。
 そこで僕はチャンスを逃さないために準備を進めることにした。

「アイザック、婚姻宣誓書を用意しておいてくれ」
「結婚式はまだ半年ほど先ですが?」
「ラティがかわいすぎて耐えられそうにないから、タイミングを見てサインをもらう」
「……承知しました」

 なんとも言えない表情でアイザックが僕を見つめているけれど、そんなことはスルーして手元の書類に視線を落とした。

 僕が手にしている書類は、反対派から寄せられた婚約者不適格に関する意見書だ。すべて事実無根だし、こんなことをしている暇があったら聖女の認定試験を手伝えばいいのに相手を引きずり落とすことしか考えていないらしい。