婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2

 王妃様の服毒事件の二日後、王城はものすごい騒ぎになっていた。

 本当は置き手紙ひとつで姿を消した王妃様だったが、公には難病が発覚し静養することになったと国王陛下が発表された。

 発表せざるを得なかったのは、同じ内容の手紙を三大公爵家にも送っていて隠し通すことができなかったためらしい。

 朝食の席でそう聞いたけれど、フィル様は黒い笑みを浮かべていたからきっと裏で手を回したのだろう。

 貴族たちも王妃様を支援していた派閥は右往左往しており、しばらくは混乱した状態が続きそうだ。

 そんな状況でもフィル様の執務室は平和そのものである。変化があったとすれば、新しい顔ぶれが増えたことくらいだ。

義姉上(あねうえ)、おはようございます」
「アルテミオ様、おはようございます」

 王妃様の事件でアルテミオ様がフィル様側の人間であると知れ渡ったので、堂々とおふたりは仲よくされている。今日は一緒に報告を受けてほしいと言われたので、早い時間からフィル様の執務室へ来ていた。

 アルテミオ様とアイザック様はすでに準備を整え、ソファーにかけている。私とフィル様が並んで座ると、早速アルテミオ様が口を開いた。