婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2

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 ラティが僕に初めてやきもちを焼いてくれた夜、私室でアイザックからいくつかの報告を受けていた。

「グレイの調べによりますと、国王陛下と王妃様、聖女様で密談がおこなわれ、いよいよ本格的に動き出すようです。国王陛下は反対派の貴族たちへ親書を送り、王妃様は専属治癒士を私室へ呼び出しました。聖女様については、認定試験の日程を変更して五日間の休暇を申請され、反対派貴族の領地へ向けて出立されました」
「ふうん、なるほど」
「どのように処理なさいますか?」

 敵の処理方法をどうするのか、僕は思考を巡らせる。

 処分するだけなら簡単だけど、それではラティにされた仕打ちをやり返したとは言えない。簡単に死なせるようなことはしたくない。
 もっと屈辱を味わって苦しみ、後悔にまみれて堕ちていかないと、僕が満足できないだろう。

「そうだね……まずはラティの安全を守るために王妃から仕留めようか」
「では例のお方を使われますか?」
「うん、そろそろいいだろう。彼には『満期だ』と伝えて」
「承知いたしました」

 ひとりずつじわじわと追い込んでいこう。僕のラティに害意を向けたことを、一生後悔させてやる。