婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2

「わかった、そこまで言うならこちらも本格的に動こう。ブリジット嬢はフィルレスに勘付かれる前に、同胞の領地に結界を張ってくれ。安全を担保に貴族たちを動かすぞ」
「でもフィルレスはあれだけ優秀なのに、もったいないわ」
「手に負えない化け物など、なんの役にも立たんのだ! フィルレスを片付けたらアルテミオを立太子し、それからブリジットを婚約させればよいではないか。聖女が婚約者であればお前も納得するだろう?」
「わかったわよ。まあ、聖女が婚約者になるなら、それで我慢するわ」

 王妃様が反論したけれど、国王陛下の一括に渋々納得したようだ。

「それでは国王陛下が王命でフィルレス様と廃太子し、ラティシアとの婚約も解消してくださるのですか?」
「いや、ラティシアはすでに三大公爵の認定試験を合格しているから、そんなに簡単ではない。自ら婚約者を辞退させるように仕向けた方が早いな」
「それならわたくしにいい考えがあるわ。辞退もいいけれど、せっかくだからカールセン伯爵家ごと潰してしまいましょう」

 王妃様はニヤリと口角を上げて、優雅な仕草でお茶を口に運んだ。