捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2

 その後は楽しみすぎて、いつもより気分よく過ごすことができた。皇太子がロザリアに話しかけても心に余裕が持てる。皇女の相手は相変わらず面倒だったが、この女のおかげでロザリアが俺に嫉妬したのかと思ったら寛容になれた。

 夕食は始終和やかで、食後のお茶を飲みながらロザリアが魔道具の販路について交渉を進める。

 オースティン伯爵は国花を国中に届けるため、運搬業についてもさまざまな権利を持っていた。つまりその運搬経路を使わせてもらえれば、帝国中に魔道具が届けられる。後は帝国中に支店を持つ商会を押さえれば、任務完了だ。

「それでは、定額でよろしいですか?」
「はい、その代わり優先的に魔道具を卸していただければ、元などすぐに取れましょう」
「オースティン伯爵、ありがとうございます! それでは契約書はこちらになりますね。他に付け足す項目はありますか?」
「ふむ、よろしいでしょう。この内容でお願いいたします」

 こっちの方はあっけなく話がまとまり、皇太子も満足げだ。
 俺は早くロザリアとふたりきりでゆっくりしたくて、さっさと食堂を後にした。