捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2

 ロザリアの額や桃色の頬、柔らかな唇にキスを落とし、耳元でそっと囁いた。

「ロザリアが嫉妬してくれて嬉しいと言ったら、怒る?」
「怒らない……けど」
「けど?」
「私だけのアレスでいると約束して」

 エメラルドの瞳の奥には、俺と同じ狂愛が顔を出している。番を求め、欲し、己のものにするという渇望がゆらめき、暴走しそうな焦燥感をにじませていた。

「もちろん。俺はロザリア以外なにもいらない」

 そのままロザリアを貪る寸前で、ストップがかかる。

「待って、アレス! もうすぐ夕食の時間よ」
「……後で街で調達でもなんでもしてくるから、今はロザリアが欲しい」
「っ! あの、今じゃなくて……後で、夕食の後で、私の部屋に来てくれる?」

 恥じらいながらも俺を大胆に誘うロザリアが、かわいすぎてどうにかなりそうだ。
 ここでお預けとは……今夜どうなるかわかって言っているのか?

「お嬢様のお望みのままに」

 まあ、どうやったって俺がロザリアに逆らえるわけなんてないから、今夜思う存分ロザリアを堪能しよう。