その後、屋敷の使用人たちにも私の懐妊が知らされて、今夜は祝賀パーティーを開くとお父様が言い出した。
 慌ててまだ体調がすぐれないから、身内だけのお祝いにしてほしいと頼んで納得してもらった。お父様が笑顔のお母様に絞られていたのは見なかったことにした。

 アレスがラクテウスに戻って、一時間後に竜王様やサライア様、カイル様とジュリア様もスレイド伯爵家へやってきた。

「ロザリアちゃん、懐妊したってアレスから聞いたけど本当!?」
「ソル、体調が悪いと聞いているわ。落ち着いて。ロザリアちゃん、押しかけてごめんなさいね。大丈夫かしら?」
「はい。まだ初期ではありますが、懐妊は本当です。私が竜王様たち伝えてほしいとアレスに頼んだので、来ていただいて嬉しいです」

 竜王様が勢いよく私の部屋へ飛び込んできて、サライア様に宥められている。そんなサライア様もいつもより目尻が下がって、嬉しそうだ。

「義姉上! おめでとうございます! 早速ですが、これお祝いの品です!」
「ロザリア様、おめでとうございます! わたしとカイルで選んだのです。気に入ってもらえるといいのですけど……」
「カイル、ジュリア、ありがとう。とても素敵な子供用の帽子だわ」