ファステリア王国の王城は、王都で一番の大木の上に建てられていた。
その正門前に転移して、門番にクリフの顔を見せ城内へ入る。全員を鎖で繋いで、アレスが引きずりながら進んでいった。
ハイレットとクリフは最初こそうるさかったが、アレスが「氷漬けにしますよ?」と笑顔で言ったら静かになった。
獣人たちの視線が突き刺さる中、アレスの先導で国王がいる謁見室へと足を進める。無礼なのは重々承知だが、最愛を殺されかけてじっとしてなんていられない。
そのままの勢いで国王の目の前までやってきた。
わずかに瞠目したものの動揺した様子はなく、白髪の混じったマットブラウンの髪の初老の男性が椅子にかけていた。私たちを灰色の瞳で睨みつけている。
「お前らは誰だ? わしが国王と知っての狼藉か」
「お久しぶりですファステリア国王。こちらはラクテウス王国王太子アレス、私はその妃ロザリアと申します」
私の言葉でアレスが鷹揚に礼をする。本来はこういった口上もアレスがするものだけど、今はそんなことを言っていられない。
その正門前に転移して、門番にクリフの顔を見せ城内へ入る。全員を鎖で繋いで、アレスが引きずりながら進んでいった。
ハイレットとクリフは最初こそうるさかったが、アレスが「氷漬けにしますよ?」と笑顔で言ったら静かになった。
獣人たちの視線が突き刺さる中、アレスの先導で国王がいる謁見室へと足を進める。無礼なのは重々承知だが、最愛を殺されかけてじっとしてなんていられない。
そのままの勢いで国王の目の前までやってきた。
わずかに瞠目したものの動揺した様子はなく、白髪の混じったマットブラウンの髪の初老の男性が椅子にかけていた。私たちを灰色の瞳で睨みつけている。
「お前らは誰だ? わしが国王と知っての狼藉か」
「お久しぶりですファステリア国王。こちらはラクテウス王国王太子アレス、私はその妃ロザリアと申します」
私の言葉でアレスが鷹揚に礼をする。本来はこういった口上もアレスがするものだけど、今はそんなことを言っていられない。