「そう、何がアレスの幸せなの?」
「私の幸せはロザリア様と共にあります。このまま専属執事を続けるのが私の幸せでございます!」

 ……そんなキラッキラした瞳で言われたら、もう断れないじゃない。

「わかったわ……充分な給金は払えないけど、衣食住は用意できるように頑張るわ」
「ロザリア様! ありがとうございます! 給金なんて気にしないでくださいね。私が稼いできますから! それではサクッと慰謝料をいただいて、サクッと出ていきましょう!」

 最近あまり見ることがなかったアレスの満面の笑顔が目に染みるほど眩しかった。