「ジュリア、その情報ってどんなだ?」

 カイルが作戦を立てようとジュリアに尋ねる。

「ええーと、まずロザリア様は王太子妃の部屋にいます。だけど王太子がベッタリ張り付いてて隙がない感じ。それからロザリア様のご両親は一応貴族専用の牢屋に入れられてるみたいです」
「さすがジュリアちゃんだね! また調査の腕上げた?」
「ふふふん、これもロザリア様の魔道具のおかげなのです!」

 相談に乗ってもらった礼に認識阻害の魔道具をもらったそうだ。この前のように捕まったとき、これがあれば逃げ出すのが簡単だとお守りがわりに欲しかったそうだ。それとジュリアを探すために使った探知機である程度の居場所が把握できていた。

「そうなると伯爵夫妻が人質といったところか……アイツらの考えそうなことだ」
「だとしたら人質の確保と状況的に無実の証明が最優先だね。サラとカイル、ジュリアちゃんは証拠集めとご両親救出に、僕とアレスはロザリアちゃん救出で動こう。いざという時はロザリアちゃんの救出を優先するから、その場合は証拠集めよりご両親を頼むね」
「……そんなまどろっこしいことしなくても、城を破壊すればいい。ようは人間を殺さなければいいんだろう?」
「ア……アレス?」