「そ、そうか。ボニータ、この部屋を見てもわかると思うが君に頼みたいんだ。ボクたちもこの状況だからな」
「そんな! ウィル様、ひどいです……! 妊娠中って色々大変なんですよ!? それなのに私に仕事させるなんて……大切にしてほしいのに!」

 大きな青い瞳から大粒の涙をこぼしてボニータが訴えてくる。
 そう言われてはボクとしても何も言い返せない。子を腹の中で育ててる間はなんとか凌ぐしかないようだ。事務官をさらに増員させて処理するしかないとため息を吐いた。

「わかった。それはこちらで処理しよう。ボニータすまなかった。下がってくれ」
「えっ、せっかく来たんだしお茶くらい飲みましょう? ウィル様もお疲れでしょう?」
「いや、今は時間が惜しい。しばらくはお茶の時間もむずかしいと思う」
「どうして!? やっぱり私のことなんて大切じゃないのね! ずっと我慢してたのに……寂しくて死んじゃうわ」

 何故だろう、ボニータの言っている意味がよく理解できない。