夏休みが終わって、また学校が始まって3日。
先輩が教室に来なくなった。
1日も欠かさず来てたのに、体調崩したりしてるのかな。
──そして先輩が来ないまま、1ヶ月が経過した。
どうやら学校にも来てないらしく、理由は家庭の事情ということらしい。
ひとまず大きな病気とかではなくて安心した。
けど、あれだけ毎日来てた先輩が来なくなったのは、少し寂しい気もする。
「愛衣、佐山先輩に会えなくて寂しいんでしょ?」
「別にそんなことない。」
「そんなことないって顔じゃないけどね。」
「元からこんな顔なんです。」
「はいはい、そうですか。」
「けどまあ、普通に心配ではある。
学校こんなに休むってなかなかないじゃん?
噂で家庭の事情とは聞いたけど、メッセージ送っても先輩から連絡ないし、スマホ触れないほど大変なのかなって。」
「早く学校戻ってきてくれるといいね〜。
佐山先輩ファンの人たちが目に見えて沈んでるし、学内の雰囲気も暗い気がする。」
「ほんとにね。」