推し一筋なので彼氏はいりません




「行きたいとこってここですか?」


「はい。」


先輩について来てたどり着いたのは、まさかのアニメショップ。

店舗は違うけど、この間佐山先輩が私のことを目撃したお店だ。


「何故ここに……?
あ!先輩ももしかして遥斗くんのグッズに興味が!?
いや違うか…。それならさっき私に譲ってくれたりしませんよね。」


「まあ合ってなくもないですね。
今サブスクでアニメをみているんですが、シーズン1以外は配信してないみたいなので、DVDを購入しようかと。」


「それなら私持ってるので貸しましょうか?」


「いいんですか?大事なものなのでは?」


「大丈夫です。
DVD特典の遥斗くんのブロマイドが欲しくて4枚買ったので。」


「4枚も…。」


これは絶対引いてる顔だ……。


「すぐみます?うちそんなに遠くないし今から取りに行きましょうか?」


「いえ。手間になりますし、そんなに急を要するものでもないので学校で渡して頂ければ。」


「わかりました。
明日持っていきますね。」


「ありがとうございます。」


「そうだ。映画版のDVDもあるんですが、持っていったらみます?」


「観ます。」


「じゃあそれも持っていきます。」


「楽しみにしてます。」


最初急に知らない人から告白された時はやばい人だと思ったけど、これだけこのアニメに興味を持ってくれるなんて先輩ってとってもいい人!

そして見る目がある!


今まで家族も仲のいい友達もアニメに、というか私の好きなアニメに興味がある人がいなかったから、DVD貸す約束ができる日が来たことが純粋に嬉しい。

好きな物を共有するのって結構いいかもしれない。