紫陽花が泣く頃に




翌日。学校では一限目から体育だった。もちろんグラウンドは使えないので体育館へと移動する。

体育は主にバスケかバレー。今日はバスケをやるようでB組と合同だった。

人数は二クラス合わせて二十七人。坂口が言っていたとおり、来週にはB組の人たちも同じクラスメートになることが決まったそうだ。

「じゃあ、準備運動したあとに赤と青のビブスを着けて練習試合をするからな!」

体育館に体育教師の声が響く。

ランダムに振り分けられたビブス。俺は青チームで左側のコートの中に入った。

運動は苦手じゃないけど、バスケは得意じゃない。適当にやり過ごせばいいやと、影を薄くすることだけを心がけていた。

ピピーーッ!

しばらくして、耳をつんざくようなホイッスルが鳴り渡った。

「こら、柴田……っ!」

先生が慌てて駆け寄ったのは、右側のコート。そこにはうちのクラスの菅野(かんの)という男子生徒がいて、なにやら鼻を押さえながらうずくまっている。

「ねえ、ヤバくない? 菅野くん鼻血出てるじゃん」

「なんか柴田さんがおもいっきりボール投げたっぽいよ。それで菅野くんの顔面にクリーンヒット」

「うわあ、災難……」

騒動の理由は、おしゃべり好きな女子によって自然と知ることができた。

バスケットボールはゴム素材で作られてると言っても、空気がぱんぱんに入れられたボールなので、重さもあるしかなり硬い。

あれが顔面に直撃したのであれば、心中を察するぐらいの痛さだったことだろう。