彼は私の肩を掴み、私を離す。

 どうしたのだろうと彼の顔を見ると、驚いたように目を見開いていた。


「今、好きって……」


 ゆっくりと頷くと、嬉しそうにくしゃりと笑う。
 その顔が綺麗だな、と思って見ていると、彼はまた私のことを抱きしめる。


「リーベから初めて好きって言ってもらった……。両思いってことだよね。すごい嬉しい」


 彼が嬉しそうな声を聞いて、私もなんだか嬉しくなる。

 私が好きって言っただけで、こんなに喜んでくれるとは思ってなかった。
 それ程、私のことを愛してくれていると思うと更に愛しさが募る。


「リーベ、顔上げて?」


 顔を上げると、彼は私を愛おしそうに見つめていた。
 この人はやっぱり綺麗だな、と思っていると、優しく頬に彼が触れてくる。

 そして顔を近づけてくる。


「目閉じて」


 言われた通りに目を閉じる。