この想いを桜にのせて



「俺のことかわいいかわいいって…。…ーーお前の方がかわいいよ」


「…っ!?」


 彼の不意打ちのその言葉に、私の顔は言うまでもなくりんごよりも赤く染まった。


「…ははっ、これでお揃いだな」


 彼がそう言うと、私たちは一緒に笑い出した。


「…みのり、これから離れ離れになっても、ちゃんと会いに行くし、連絡もする。県外に行くってことは、周りは知らない人ばかりだとは思うけど、お前は1人じゃないから」


「…うん」


 実は、それがとても心配だった。


 周りに知り合いがいない、完全にゼロからのスタートである人間関係。


 でも、私は1人じゃない。


 つばちゃんがいる。


 そう思うと、不安が少し無くなったような気がした。


「これからはあんまり会えなくなるだろーから。…少しの間、みのりを充電させて」


 彼はそう言うと、優しく私を抱きしめた。


 私も彼の背中に腕をまわした。