「…行くなよ、どこにも」
「…っ!?」
彼の顔は私の肩にうずめられていて、私からは表情が見えない。
「…これからもずっと、お前と一緒にいられると思ってた」
それはとてもか細く、今にも消えてしまいそうな声だった。
「好きだよ、みのり。…だから、俺から離れんなよ」
「…えっ」
つ、つばちゃんが、私を好き…!?
そして私を一瞬さらに強く抱きしめたあと、シトラスの香りは私から離れていった。
「こんなことになるなら、もっと早く言っておけばよかったな。…ーーでも俺、それでもうお前と話せなくなるのがいやで、今日まで言えなくて」
えっ、つ、つばちゃんもそう思ってたの…?
「もうこれでお前と会えなくなるなんて、ムリ。…俺はみのりが好きだ」
私の目をまっすぐに見つめてそう言った。
…今ここで素直にならなくてどうすんの。
「…わ、私も。つばちゃんとの関係が壊れたらいやで、今日まで言ってなかったんだけど…」
私は目線を一瞬逸らして、再び彼と目を合わせた。



