ガチャリ。


「足下に、ご注意くだ………あっ」


その感触を理解するのは、一瞬だった。

そして、タイミング悪く開く扉。


「あ……っと……もう一周……?」


気まずそうにそう言うスタッフ。

しまった……ここが観覧車なの、忘れてた……。

「あ……いえ。もう降ります……!」


いたたまれなくなったのか、雪はそそくさとゴンドラを降りて行った。


「………し、仕返しです」


吐き捨てるようにして言われた言葉に、俺は頭を抱えた。


「なんだよ、それ……」


俺の心を代弁したセリフ。

からかいながら、邪魔者スタッフは、俺一人のゴンドラに乗り込んできて。


知らないスタッフと二人きりで観覧車に乗るはめになった。


うーん、色々ツッコミが追いつかない………。


だがこれは、また別のお話。