もし、あの雨の日…。

橋から飛び降りようとしなければ……?

飛び降りようとする時間が少しでも違っていたら……?

きっと私たちは出会うことなんてなかった。

でも…私たちは同じ時間に橋から飛び降りようとしてあの雨の降る日……君に出会えた。

私ね、思うの。

私と君はきっと…出会う運命だったんだって。

そう言ったら君はどう思うかな?

きっと君のことだから……

「そうだね」

って言って笑うんだろうな。

本当にありがとう、私と出会ってくれて。

遠くから優星の走ってくる姿が見えた。

私の方に真っ直ぐと…満面の笑みで手を振って私の名を呼んだ。

「幸希先輩!」

その呼びかけに私も心から笑って呼ぶ。

「優星!!」

私の前まで来た優星。

お互い何も言わずに抱きしめ合った。

そして目を合わせてお互い笑いあった。

あの雨の日、君に出会えて本当によかった。

どうか君が毎日幸せでありますように──。

私は心の中でそっと祈った。

fin