『幸希先輩』
優星は最近いつも走って私の元まで来てくれる。
汗だくの彼をそっとハンカチで拭う。
『幸希先輩に早く会いたくて…』
彼がそんなことを言うなんて…。
私は嬉しくて彼の頭を撫でた。
『私はここにいるよ』
『はい、僕も幸希先輩のそばにいます!』
その言葉に私は驚いた。
でもその言葉が嬉しくて私は笑った。
『じゃあ行こうか!』
『はい!!』
優星の隣に並んで歩いた。

そしてその日から3日後。
『ついに全部制覇しましたね!』
『うん!付き合ってくれてありがとね優星』
ついに全部制覇した。
もう……これで終わり。
『それであの幸希先輩!』
『どうしたの?』
『あの…15日なんですが……一緒に過ごしませんか?』
そう聞いてきた優星。
15日って私の誕生日…知ってたの?
本当にまったく…。
『遅いよ、誘うの…』
『え?今なんて……』
『ううん、なんでもない!』
『じゃあ15日楽しみにしてるね』
『え?いいんですか!?』