地獄の底のその先へ

気を抜いたら、いつしか無意識に涙が出るようになっていた。



夜になって、時計の短い針は11を過ぎていた。
トントン、とドアの音が響く。

「心羽、もう11時よ〜。風引いちゃうし、お肌にも悪いから、お母さん、そろそろ寝たらいいと思うの。どう?」

こんな言い方されちゃ、断れるわけがない。

「あ…!もうこんな時間か…!寝るね。おやすみ、お母さん」

「心羽はいい子ね。おやすみ」