こっち向いてよ、佐久間くん。

私の出席番号は24番だから…あった!


窓側の席をゲットできて嬉しい。


受験生時代は窓側の席に座って外を眺めるのが夢だったっけ。


地元は田舎だったから、大都会の中にあるこの高校の窓から見られる景色は異世界で。


高層ビルが立ち並ぶ景色にうっとりしていると、急に声をかけられた。


「あれ、君、もしかしてトイレで芽依が声かけた子?」


声のする方を向くと、さっきお手洗いにいた女の子のうちの1人の子がいた。


「わわ、その節はすみませんでした…!!入学式に遅れないことしか考えていなかったもので…!! えっと、舞さん…?でしたよね…!!」


きっと、元気な子の方が芽依さんでこちらの方が舞さんだ。


「そうそう!よく覚えてたね。私は染谷舞(そめやまい)。同じクラスにいてびっくりした。よろしくね」


「こちらこそよろしくお願いします…!!私は星乃梓(ほしのあずさ)です!」


「名前まで可愛いね。芽依が叫びそう…。」


「ありがとうございます!名前は父と母が沢山考えてつけてくれた名前なので、お気に入りなんです」