「城内君、あのね……」 私が呼ぶと、慌てて立ち上がる城内君。 今日、工場へ行ってから、城内君はどことなくおかしい。 「私、今日はもう帰るけど……」 「そうなんですね!じゃあ僕も……」 やっぱり仕事を切り上げようとする彼に、言っていた。 「私は大丈夫ですから」 「……え?」 驚く城内君に告げていた。 「家までそんなに遠くないし、まっすぐ帰るから大丈夫!」