ー里緒ー
……え?
私は携帯電話を手に、工場の中を覗いていた。
城内君はコワモテの彼らにボコボコにされるかもしれないと怯えていたが……
「城内先輩、お久しぶりです!!
こんなところで働かれていたんですね!」
ガタイが良くていかつい彼は、ごく普通の後輩城内君に嬉しそうに話す。
この、私が最も苦手とする人と知り合いなの?
その前に、先輩!?
そして城内君は私のほうをちらっと振り返り、なんだか動揺しているようだった。
そして城内君は男の肩を抱きがしっと抱き寄せると、耳元で何か言っている。
その言葉を聞き、
「はいっ!承知しました先輩!!」
彼はまるで軍隊のように背を伸ばし、大声で返事をする。
この人がこうも城内君を怯えているのはなぜだろう。
まさか、空手のせい?



