そんななか、上司は言った。 「城内さんや矢田さんはまだ行ったことがありませんので、お願いしてもいいですか?」 いいはずがない! それに……怖い。 震える私の隣で、城内君は言った。 「それなら、僕一人で行きます。 矢田さんは女性なので、そんなところに行っちゃいけないでしょう」 ……え? 城内君はいいの? いや、空手が強いからいいのか。 だけど、こうやって私を庇ってくれるから、不覚にもキュンとしてしまう。