「矢田さん。智樹って、高校時代もすごく真面目だったんです!
野球部の主将だったし、成績もトップだったし、友達も多かったし。
だから矢田さんの心配するような人じゃありませんよ」
城内君はまた私のことを考えてくれているんだろう。
その好意は嬉しいのに、こんなにも傷つくのはなぜだろう。
「ねぇ、淳……」
守山さんは困った顔で城内君に言う。
「淳は悲観的なんだよ」
「そりゃあそうだ。俺は智樹みたいな優等生じなないから」
私はきっと、城内君のことを何も知らない。
深いところまでは教えてくれないから。
だけどもっと知りたいと思う。
城内君は私を拒否しているのに、私は彼が気になって仕方がない。



