その瞬間……城内君はなんだか挙動不審になる。 ガラの悪い男に会っても平然としている城内君が、初めて取り乱すところを見た。 「すっ、すごくねぇだろ!! そっ、それよりも矢田さん! 智樹、彼女募集中らしいですよ!!」 なんだか必死に言う城内君だけど、その言葉が胸にぐさっと刺さった。 それで認めたくないこの気持ちを認めざるを得ない。 私は……城内君が好きだ。 私は城内君が好きなのに…… 彼は私には興味がない。