今だから大笑い出来るものの、当時笑ったりしたら命がなかっただろう。

橘はそんな存在だったから、あの時の馬鹿に俺は橘の名を言った。

自分の名は、色々と怖くて言えなかったのだ。

そして橘の名を聞いた奴のビビリ様は、こっちが動揺するほどだった。

……なんてこと、口が裂けても矢田さんには言えない。