「城内さん!俺たちも負けませんよ!!」
新たな声が聞こえて振り向くと、なんとそこには工場の荒くれ者たちがいる。
明らかに周りとカラーが違っていた。
金髪や、サングラスや、スキンヘッド。
そしてその中心にいるリーダーが城内君に話しかけるものだから、城内君は挙動不審に周りを見回した。
「おい、俺に話しかけるな」
城内君の小声に、ハイッと敬礼のごとく姿勢を正すリーダー。
こうやって見ていると怖さこそ半減するが、彼らは私の職場の大半の男性に傷を負わせ、同級生を狙っている。
関わりたくない人たちだ。
もちろん試合になると彼らはソフトボールというより乱闘を繰り広げた。
そしてすぐに退場になってしまったが、対戦相手も相当なダメージを負ってしまった。
そして一般の人たちは、彼らを怯えた目で見ていた。
もちろん私も。
彼らが失格になったため対戦することがなくなり、内心ホッとしていた。



