「そっか。矢田さんは強くて優しいのに、智樹でも落とせないんですね」 そんなことを言わないで。 私は弱くて卑屈だし……ただ、城内君が好きなんだよ。 「僕の過去があんなじゃなかったら、少しはチャンスがあったのかな?」 唐突な城内君の言葉に、 「え!?」 思わず声を上げ、城内君を見上げていた。 城内君はなんだか切なそうな顔で私を見下ろしている。 そんな城内君にドキドキが隠せない。 城内君……好きです。 私はこんなにも、あなたが好きなんです。