「矢田さんも可哀想ですよね。
春田さんが勝手に試合に出すことにしてしまったから」
そう、男性たちで盛り上がっていればいいのに、私までソフトボール大会に出ることになってしまったのだ。
無神経の春田さんが、「矢田さんは男でしょ」なんて言って。
「僕がその場にいたら、抗議したのに」
城内君のその気持ちすら嬉しい。
彼は本当に正義感溢れる好青年だ。
……そう、きっと正義感から私を守ってくれるのだ。
「大丈夫だよ。なんとかするよ。
……きっと、笑い者になるだけだよ」
意気消沈する私に、
「じゃあ、僕と練習しましょう!」
ぱっと明るい顔で城内君が言う。
その顔を見ると断れないし、私まで笑顔になってしまう。
不思議だな、城内君がいるだけで、私だって元気になれる。



